• twitter
  • facebook
  • instagram
  • tumblr

わたしたち、みんなアーティスト・ベイビー

成澤布美子(なりさわ・ふみこ)

NHK-FM・DJ、フリーアナウンサー・放送作家を経て、子供支援活動を開始。「あらら企画」代表、「心に星を」市民プロジェクト代表。

第3回 心が動く表現とは

たぶん、皆さんも思い当たることが、あるんじゃないかな、と。

物心ついたとき、『なに』に興味を持っていたのか。

自分は、『なに』をしているときが一番心地よかったのか。

私は音楽を聴き、本を読み・・・その世界観に身をゆだねること・・・。
心が動き、想像し、その世界を頭の中で構築していました。

そして、いつしか・・・身をもって声で表現することから、文字や身体も使って表現することに導かれていきました。不思議なものです。それは自然で、必然でした。

後半生を歩み始め・・・これまでの沢山の出会いや御恩に感謝するとともに・・・
自分に『なに』が出来るのか・・・私は今、『なに』が大事かを問うています。

それはやはり、子供たちの未来・・・誰もが自分を活かせる道を描ける未来・・・。
周りに今一番足りないものは『人の心を育む』カリキュラムだと思っています。

子どもは大人の真似をします。そう、真似をするんです。

思い出してみてください。 『ごっこ遊び』 しましたよね?
アイドルやヒーローになったり、怪獣やロボットになったり、犬や猫になったり・・・
芸術だって、スポーツだって、真似事から全ては始まる…そう、思いませんか?
仕事だって、そう!! 先輩の真似事から始まって、失敗や成功体験を積み重ね、自分のやり方を見つけていく。自分で応用していくわけです。

【アプライド・ドラマ】とは・・・イギリス発祥のドラマ教育法、応用演劇です。

出会えてよかった!そう思える一番の理由は・・・ 『答えはない』 ということ。
アプライド・ドラマワークショップは、物語に寄り添って、登場人物に自分がなってみたり、その人物の立場で思考を想像してみたり、自分はこう思うけれど他の人は違うんだと人の話にびっくりしたり・・・各々の立場になってみる事での『気づき』を促します。それは日常でも仕事場でも 『相手への理解』 に繋がりますよね。
人を理解しようと思う心が、コミュニケーション能力を高める。そう言えます。

今、川崎市アートセンターのアルテリオ小劇場・工房にて、アプライド・ドラマWSを月一回、人形劇WSとともに開催しています。子どもと大人が一緒に体験!
コロナ禍でも人数制限やzoomを使用したり、あれこれ工夫をして続けています。

場所とのご縁は、演劇の師匠である劇作家・演出家ふじたあさや先生が川崎市で立ち上げた市民劇団「劇団わが町」に入団し、3年間、お世話になったことから。
アプライド・ドラマとは、所属している日本・児童青少年演劇協会が主催したWSに参加し、日本での実践先駆者であるオーハシヨースケさんと出会ったことから。

ふじた先生からは、児童・青少年演劇や一人芝居の脚本・演出・演技を学び・・・
オーハシさんからは、経験に基づくWSを共に実践しながらの学びを得ています。

そうです!今も私は、お二人の真似事をしているのです。
そしてまた、真似が出来たら素敵だなぁと、心から思える女性と出会えました。

【川上貞奴】 ・・・明治4年~昭和の終戦直後まで、波乱万丈な人生を生き抜いた女性です。日本の女優第一号とも、日本で初めて児童演劇を興したとも言われ…差別と闘い、女性の自立を助け、晩年には演劇で子供達を育んだ女性でもあります。

かねてから「表現者として一人前になれ!」と、ふじた先生からお題がありました。
川上貞奴さんと関わる人々には、紆余曲折なドラマがあり、その不屈の精神に敬服せざるを得ません。時代も違い、正直に言えば、とても真似の出来る生き方ではありませんが・・・『演劇は人を育む』そう考えていたのではないかと。その一点ならば、志は同じはず。貞奴さんの人生を語り、その志を伝えたい!そして貞奴さんの人生を疑似体験することで私自身も成長したい。
それこそが【アプライド・ドラマ】ではないか!! そう思ったのです。

【真似事から人間の全ては始まる】・・・とするならば・・・
どう真似るかは自分の応用! 匙加減! 面白いじゃーありませんか♪
頂戴した恩を忘れず、女性や子供に恩送りした川上貞奴さん。
貞奴イズムを継承しながら・・・
【アーティスト・ベイビーの種】を、この先どんなふうに蒔いていこうかな、と。

次回はそのお話をさせてくださいね。

今回もお読みいただき有難うございました。
また次号の第4回も楽しみにしてくださいね!