●1985年（昭和60年）

イスラエル政府から「諸国民の中の正義の人（ヤド・バシェム）賞」受賞
〜杉原ビザは今も生きている〜
杉原ビザで助けられた避難民は「杉原サバイバー」と呼ばれている。

●杉原サバイバーの感謝の手紙から

「私は杉原氏のおかげで、この世に生を受けた者の一人です。祖父がビザを受け取りました。今ある人生をどのように受け止めれば良いのでしょうか。人間がどこまで他人に親切になれるものなのかを私の想像を遥かに越えて示してくださいました。」
〜 後年、新聞やテレビ、映画などで千畝さんの勇気ある決断を知り、同じ日本人として誇りに思う人が増えてきている。と思っている。

●大村秀章・愛知県知事の敬愛・・・

「このような杉原氏の行動の中に、人間の可能性、人間の力というものを、まざまざと見ることが出来るのではないでしょうか。」

〜 愛知県教育委員会は、千畝さんの母校である瑞陵高校正門横に「センポ・スギハラ・メモリアル」というモニュメントを設置。2018年10月、完成式典が執り行われ、駐日イスラエル大使やリトアニアの生徒らが来日。3時間にも及ぶ式典に参加した瑞陵高校の生徒たちの感想である。

・モニュメントを作るにあたり、あまり良いイメージはなかった。が、式典の規模の大きさに千畝さんの偉大さを知った。自分が恥ずかしい。

・最初は式典に3時間も？と思いましたが、外交大使や千畝さんの遺族の方々の話を聞いていると、そんなことどうでもよくなるくらい心が動かされました。

・杉原さんのように自分の信じた道が必ずしも正しいというわけでなく、この選択をしないと絶対に自分が後悔すると感じたとき、しっかり自分の意思を伝えられるようになりたいと思った。 千畝さんの四男・伸生さんもこの式典で講演。その講話の中でのエピソード。伸生さんは「どうして助けたの？」と、一度だけ聞いたことがあったそうだ。千畝さんは一言、「可哀想だったから。」そう答えたと言う。

この話を聞いた若い世代はどう感じたのだろうか。

●孫の杉原晴香さん（21歳）の想い・・・

「私は祖父をヒーローとして見なすのではなく、緊迫した状況下で何が善であるかを考え、それを実行した人だと思っています。お互いに排除するのではなく、尊重し合う世界を実現するための模範を私たちに示してくれました。私もいつの日か祖父がしたように、誰かを助けられる人になりたいです。」

〜 千畝さん、喜んでいらっしゃるだろうなと思えた。素敵なお孫さんだ。千畝の人道的精神は、こうして受け継がれているんだなと嬉しくなった。私たち、杉原千畝記念財団の事務局もしっかりと後世に繋げていかなくては、と心から思った。

●財団事務局・WEBデザイナー、松本ありさ（23歳）

「彼のように人を救うことを最優先にするような人物こそ、今の世の中に必要なのではないかと思っています。
私は彼の考え・行動を尊重し、沢山の方に知っていただけるように、杉原千畝記念財団に尽力します。」

〜 よし！若い世代に負けないぞーと私も奮起（笑）イギリス発祥のアプライドドラマ、ドラマ教育法を子供達の未来のために日本に定着させたいと普及活動をしている身の上としては、千畝さんのアプライドドラマを作り、実践していかなければ！

2019年8月24日（土）川崎市アートセンター・工房にてワークショップ開催

タイトル「杉原千畝の決断」 作：成澤布美子
アプライドドラマでのストーリーの始まりは、日本の敦賀港。避難民が遥かポーランドやリトアニアから、ウラジオストックを経由して船で敦賀の港に到着した所から始めた ・避難民と千畝さんの気持ちに寄り添い、自分なら？あなたなら？ドラマワークで疑似体験しながら、参加者の心の動きを共有 ・ワークショップの中で、自分が自由になれる場所への自分発行のビザを製作してもらう 参加者は小学生から６０代まで、約１時間半の有意義な時間でした。
このアプライドドラマを、小・中・高校生向けにバージョンを変えて、歴史や道徳、倫理などの学校教育に取り入れてもらいたいと考えています。
千畝さんが目の前にいる人に手を差し伸べたあの時の命と、人間の尊厳を守った志は今も繋がっています。
私たちは、それを繋げてゆきます。（2019年 8月末）

杉原千畝記念財団一同
事務局長　大新田納
事務局員　成澤布美子（文）
　　　　　松本ありさ

●一般財団法人杉原千畝記念財団
● 千畝さんの四男・杉原伸生さんを名誉顧問に2018年10月1日設立