ご挨拶

私の仕事は「スタイリスト」。普段は広告媒体をメインに雑誌やCM、CDジャケットなどでモデルや歌手、俳優さん達のファッションのコーディネートをしたり、雑貨やフードのスタイリングなどもしています。

そんな私ですが、このたびオリジナル作品『DOURAKU NIPPON』を発表させていただくことになりました。

この作品のモデルは、写真家、演出家、経営者、学校長、アスリート、などさまざまなジャンルで活躍されている文化人であり、私の尊敬する大好きな方々です。お仕事をご一緒させていただいたり、いろいろな話をする中で私は彼らの人間的な魅力の虜になりました。

この作品の誕生のきっかけは、さまざまな分野で活躍するみなさんのいつもとは違う姿を見てみたい、という遊び心からでした。その魅力を自分なりに引き出して作品として残したい、そんな事を考え出したのです。

そして、私が生まれ現在も暮らしている下町をイメージした江戸の町を舞台に、自由な発想で着物をコーディネートするアイデアが浮かびました。このアイデアを話すと、驚くことにみなさんが作品作りに協力してくださったのです。そのクリエイティブの力によって、私のイメージを超えてより素晴らしいものになっていきました。

撮影は2013年11月から12月にかけて行いました。

私事となりますが、2011年の年明けに原因不明の難病を発症し、その直後に3.11という世界をも震撼させる大災害が起こりました。ここ数年、自分と世界をめぐってさまざまなことが起こり、いろいろなことを考えた時期でもありました。

気がつけば、この仕事に従事してから20数年にもなります。

みなさんのお力をいただいて、ひとつの作品に向かっていけたことがとても嬉しく幸せなことと思うばかりです。

スタイリストの師匠である石原章子氏の教えは原点であり、佐藤未世子氏のもとで培った経験はタカラモノ。そして築きあげた沢山の人達との繋がりは財産となりました。

その両師匠のおかげで今の自分があり、たくさんの方々の支えがあって現在があります。

そして石原氏と交流の深い写真家の西宮正明氏の「好きに撮りなさい、どんどん撮りなさい」と、いう言葉が更なる原動力となりました。

また、尊敬する写真家ハービー・山口氏のおかげで、2011年の初夏に女性アーティストのアルバムジャケット撮影に参加させていただきました。

アルバムは世界中で大ヒット、国内でも話題となり、スタッフの一人としてとても誇りに思う素晴らしい経験となりました。

そのアーティストのさまざまな苦難を乗り越え、未来を生きる人生観に、大きな感銘を受け、強い気持ちをいただきました。私は彼女に自分自身を重ね、仕事を継続する意義や人生の意味を見出すことができたのです。

今回の作品撮影に参加していただいた皆様のご厚意とご協力に心より感謝申し上げます。

そして、どんな時も無償の愛で私を支えてくれる両親と家族にも感謝を込めて。

この作品を通し、私どもスタイリストの夢の一端に触れて頂けたら幸いです~

八巻真理子

BACK NEXT
Yamaki Logo Design by iiZUKA KENGOiiYÖU INC.